バークとウイルズの切手
オーストラリアは地下資源大国。鉄鉱石、石炭、ウラン、ボーキサイト、銅、天然ガスなど豊富な地下資源の争奪戦が中国の台頭で毎年、激しくなっている。非鉄金属相場も高騰し、ステンレスや銅はては金製品の盗難騒ぎも新聞記事に多々取り上げられています。
さて、これらの地下資源が眠っている豪州内陸部は、始めは農業、牧羊業のため肥沃な土地・内海の探索で始まっていたのですね。探検隊の記録本を最近読みましたので切手とともに紹介したいと思います。
まず切手の2人は、1860年、オーストラリア大陸の空白地帯・内陸への探査にクイーンズランド州の一般公募で選ばれたアイルランド人のロバート・オハラ・バーク(Robert O'Hara Burke、39歳)隊長と測量技師(後に副隊長、イングランド人)のウイリアム・ジョン・ウイルズ(26歳、William John Wills)です。 最後に4名になった探検隊はメルボルン出発後6ヵ月後、ようやくカーペンタリア湾に着き、大陸縦断に成功した。しかし、帰路、更なる苦難のなか、エア湖近辺のクーパーズ・クリーク基地に到着したが後続隊とは9時間の差で合えませんでした。以後、先住民に助けられながらも壊血病、栄養失調などで相次いで亡くなりました。 この探検隊の悲劇はハウィット救援隊に助けられた唯一の生存者キングの陳述や彼らの日記によって明らかになつた。メルボルン市は盛大な葬儀と彼らの功績をたたえ、記念碑等を建てました。切手は1983年9月26日発行(Inland Explorers)
馬に乗った切手はノーザンテリトリーNT探検の100年記念として発行されたもの(1960年9月21日、Sir Daryl Lindsayの作品)。題名(Overlanders)、時期からこのバーク・ウイルズ探検隊を指しているものと判断しました。泥に足を取られるなど苦戦している様子も描いている。しかし、悲しい結末にもかかわらず馬(ビリー)上の人物(バーク)は颯爽としている。以後のNTの発展を予感。
「恐るべき空白、死のオーストラリア縦断 (アラン・ムーアヘッド 木下秀夫訳、早川書房)」は、この内陸縦断探検隊の悲劇を描いたものです。焦熱砂漠,、底なし沼地等がある内陸中央部をラクダ、馬、最後は徒歩で縦断した記録。自然の厳しさや探検隊のチームワークについても参考になる本です。 現在では、車で彼らの足跡を追うことが出来るらしい。しかしながら、日本でこの本を読むには詳細な地図が傍にあると理解しやすい。グーグルアースでは荒涼たる現地を一瞬に俯瞰することはできる。しかし、ブロークンヒルBroken Hillや原著題字であるクーパーズ・クリークCoopers Creek CrossingやバーズヴィルBirdsvilleがわかる程度で、本当に手がかりが無いところです。ただし、鉄鉱石や銅、銀などが豊富なブロークンヒルは町並みや大規模露天掘りの跡がはっきり見えて、スケールの大きさがよくわかります。
オーストラリア内陸探検家は、スタート、エア、スチュアート、フォレスト、ウォーバートンなど多々居られますので、彼らの足跡を切手で順次、紹介したいと思っております。
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