カリブ海のいかがわしいサボテン切手
カリブ海のイギリス海外領土モントセラトMontserratから、切手シートCacti of the caribbean2種が今年発行されました。
こなれたサボテンのデザインで、Queen of the Nigiht(Cereus hildmannianus),、Old man's whiiskers(Opuntia aciculata)、Devil cholla(Opuntia stanlyi)、Century plant( Agave americana)、Prickly pear cactus(Opuntia Ovata)、Christmas cactus(Schlumbergera buckleyi)と表記されていました。
これらのサボテンがカリブ海地域の代表種かなと思いつつ自生地を調べると、ウルグアイ、ブラジル、アルゼンチン、テキサスなどで?。 Opuntia aciculataの切手はウイキペディアの添付画像と同一でした。描かれているウチワサボテンは、刺の出方が異なっており変異もあるのかと思っていたら、出典は"Cactaceae: Descriptions and illustrations of plants of the cactus family, N.L.Britton, J.N.Rose.1919-1923"で、原著はO.laevis,、O.dillenii,、O.aciculata(一番下)の3種を描いているものでした。
そしてOpuntia stanlyiも同じ本からの引用で、切手は左側のサボを反転縮小し2つのさぼに小細工していました。
ということは、この切手シートのサボテンの原画は全て上記本によるものであることが推測されます。 Opuntia ovata(Maihueniopsis ovataと思いますが)のprikly pear cactusとその実の切手デザインも、この種だけではなさそうで、全てが疑いの目で見ざるを得なくなってしまいました。
こういう切手を”いかがわしい切手”というんでしょう。
カリブ海にはMelocactus intortusやPereskia quisqueyana、Agave karatto等が自生しているのに、しっかりしてください。
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この切手のデザイナーは、さぼらんさんのようにサボテンと切手の両方に趣味を持っている人がいようとは想像していなかったのでしょう。
悪いことは出来ません。
投稿: queiiti | 2012年7月22日 (日) 22時00分
こういうレベルの低いものが発行されるくらいですので、同趣味の人、結構おりますよ。
北方領土、Japanと表示されたサボテンをデザインされたものまで出回っています(日本人から見れば、明らかにインチキな切手もどき)。
投稿: さぼらん | 2012年7月23日 (月) 08時33分