江戸時代の”鮎壺の滝” (2)
伊豆半島ジオサイト”鮎壺の滝”の呼称について、マニアックな地元ネタです。
現在、鮎壺(AYUTUBO)と呼ばれている滝の江戸時代の呼称について調べました。
①藍壺の瀧について:享保20年(1735年)白隠禅師は、滝壺の藍色から”藍壺”の偈頌(ゲジュ)を詠んでいる(「荊叢毒蘂」)。
②鮎壷の地名について:滝傍の石造物に、鮎壷邨の地名が刻まれている(享和二(1802)年)。
③鮎壺の滝について:「駿河志料(文久元(1861)年、新宮高平著、橋本博校訂、歴史図書社1969年)」、藍壺瀑布の項に鮎壺の由来が記述されていた。
そこには「藍壺瀑布:村の西、藍壺新田にあり、足柄古道黄瀬川の上流にして・・・此川筋下流は鮎多し、・・・此瀧壺より上に登り得ず、故に鮎壺と云うなるべし」。 藍壺地区とか、鮎が群集するので鮎壺とも呼ばれていたと記述されていました!
友釣り発祥の地ともいわれる狩野川の支流ゆえ、当然遡上し、群集する鮎の姿が印象的であったのだろう。
ということで、古くから滝壺の藍とか鮎からそう呼ばれていたことが確認できました。
それが、明治になると藍壺の滝とか富士見の滝と呼ばれだし、鮎壺の滝は大正のころから再び登場し、昭和30年代には定着したという変遷を確認しました(書籍、地図、絵はがきなど)。
なお、富士山は変わらず眺められますが、環境変化に伴って藍色や鮎も見られなくなってしまったのは残念です。
(参考までに)
* リンク先は、関連する記事になります。
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